アイスクリームやフルーツは〝花粉症〟の敵なんだけど……

……といっても、あなたは冷たいアイスクリームやフルーツが大好きですよね。さあ、どうします? まあちょっと我慢して先を読んでください。「花粉症」にお勧めできない食べ物・飲み物を以下に列挙します。

・アイスクリーム、フルーツジュースなどの身体を冷やすもの。
・ケーキ、菓子パン、和菓子などの甘いもの。同じく、甘いコーヒーやミルクなどの飲み物。
・香辛料たっぷりのカレーやラーメン、唐辛子たっぷりの〝激辛料理〟。
・ビール、ワイン、日本酒、ウイスキーなどのアルコール類。

 こう書くと、それじゃあ「何も食べられないじゃないか!」ときっと思いますよね。でも、ここに挙げたものだけを見ているからそう感じるのであって、実はこれらに属さない食べ物・飲み物はいくらでもたくさんあります。こう言っても、あなたは上に挙げられたものを口にできないショックはたいへんなものでしょう。

安心してください!だいじょうぶです。

 実を言うと、これらはすべて、あまり多く口にしてはいけないものという意味です。数千年の歴史をもつ中国医学、つまり〝漢方〟では、「食養生(しょくようじょう)」という考え方があります。体の不調を感じたら「食生活のバランスを考えろ」ということです。これが中国料理の基本、いわゆる「薬膳」なのです。このことは江戸時代の儒学者・貝原益軒も、その著『養生訓』の中で「おなかが減ったときやのどが渇いたときは、その量を慎むべきである。冷水や生もの、鶏肉などをけっして食べ過ぎてはならない」と言っています。

「食養生」の要点は以下のようにまとめられています。
  ①季節の穀物、野菜、果物など、新鮮な食べ物をバランスよく摂ること。
  ②食べ過ぎに注意し、よく噛んで、心穏やかに味わうこと。
  ③食は健康・長寿の基本であることをよくわきまえること。

 つまり、アイスクリームもフルーツ類もケーキ・和菓子も、そしてアルコール類も、とにかく毎日摂りすぎないことが肝心です。漢方の世界では、少しずつ自然に体を養生ようじょうし、肌を美しく健康にしていくというのが大前提なのです。だから、ほどほどに口にして、ほどほどにバランスをとり、ほどほどに体と心をいたわる……この姿勢がたいへん重要。多量な摂取は往々にして各種の副作用があるというわけです。その上で各種のサプリメントの助けも借りる……こうしなければサプリメントの効果自体も薄れてしまうのです。

あなたは「ハーブ」の日本語訳って知ってる?

 中国料理の「薬膳」といえば、その基本食材は〝ハーブ〟です。でも、この「ハーブ」ってそもそも何なんでしょう。「あなたは〝ハーブ〟の日本語訳って知ってる?」こう聞かれると即座に答えられない人も少なくありません。たまたま近くにいるハーブ好きの人7人に質問したところ、5人が答えられませんでした。「ハーブはハーブよ」って答えたのは3人……ちょっと笑えました。正解は「薬草」です。自然の中に生えている薬草や薬木、これをハーブというわけですが、このハーブは用途によって二つに分けられます。一つは料理用ハーブ、もう一つは治療用ハーブ(メディカル・ハーブ)です。

 主に東洋医学で、植物や鉱物などの成分を薄めて用いる伝統的な自然療法があり(ホメオパシーといいます)、それと現代の最新医学を統合して治療にあたろうという流れがあり(「統合医療」といいます)、世界中で治療実績をあげています。

 しかし、薬用植物といっても現代医学の〝薬〟とちがってその成分はきわめて多様で、実際にはこの症状にはこのハーブ、こっちの症状にはこのハーブと特定する判断基準はまだ確立していません。でも治療効果、癒し効果があることも事実なのです。「いまこのハーブはやってるのよ」「あなた、それだったらこのハーブがいいわよ」といったお友達のアドバイスにはちょっと気をつけた方がいいということになります。「○○に効果があるから……」と、そればかり食べると健康になるどころかかえって体調を崩す原因にもなりかねません。 トマトにアンチエイジング効果があるということで(トマトはハーブではありませんが)、「私は常にトマトを食べています」という人をよく見かけますが、トマトの特徴の一つとして「清熱作用」、つまり熱を冷ます効果があるわけです。ですから暑い時期の「清熱」効果はいいのですが、寒い時期にトマトをあまり食べると、ますます〝冷え〟がひどくなってしまうのです。ハーブも同じことです。つまり、ハーブ類を使用する場合は、その手の専門家のアドバイスを受けることがたいせつだということです。