代替療法の種類を徹底解説! 【4】主に心に働きかける香りやイメージ療法

西洋医学による医療と代替医療を統合させて行われるのが統合医療。代替療法は、次の5つに分類できます。

  1. 生活環境や人間関係を改善する療法
  2. 食べ物や飲み物を用いた自然療法
  3. 体を動かす療法
  4. 主に心に働きかける香りやイメージ療法
  5. 直接、体に働きかける手技療法(徒手療法)

今回は、「主に心に働きかける香りやイメージ療法」について紹介しましょう。

【主に心に働きかける香りやイメージ療法】

  • アロマテラピー
  • イメージ療法
  • 自律訓練法

アロマテラピー


植物から抽出した天然の精油成分(エッセンシャルオイル)を用いた治療法で、そのルーツは植物療法までさかのぼることができます。植物療法の歴史が長いヨーロッパにおいて、近代のアロマテラピーの研究がスタートしたのは1910年代のことです。

エッセンシャルオイルは植物の花、葉、茎、果皮、樹皮、木部などから抽出し、蒸留したものです。活性成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質で、各植物によって特有の香りと機能を持ち、美容、病気、精神面などのケアに用いられます。

エッセンシャルオイルを体内に浸透させる方法としてはマッサージや入浴、湿布、蒸気、吸入などがあります。自然治癒力を高めるように働くため、内分泌系、免疫系、自律神経系などに複合的に作用するという特徴があります。

日本でのアロマテラピーは、一般のアロマセラピストの他、医師や看護師、助産師や鍼灸師など医療従事者が行うものもあります。医療面では主に、産婦人科や介護、ホスピスなどの臨床現場で使用されています。 精油に限らずハーブティーを飲んだり、花の香りを直接嗅ぐことも、広い意味でのアロマテラピーといえるでしょう。

イメージ療法

リラックスした状態で、自分が望む状況や目標の具体的なイメージを頭の中に描くことで心身のケアを行う心理療法。スポーツにおけるイメージ・トレーニングもその一つで、頭の中に最高のフォームをイメージとして刷り込んで本番に臨むことで成果を期待します。医療面で用いる場合は心理療法家の導きによって気持ちをリラックスさせ、体の免疫機能を高め、治療効果を上げる目的で用いられます。

イメージ療法は言葉によるやり取りではなく、非言語的な自由に沸き起こってくるイメージを利用したもの。そのため、子どもから高齢者まで言葉ではうまく表現できない人に対して有効だといわれています。

瞑想


現代西洋医学に受け入れられている、補完療法の一つ。基本的には体の緊張を解いて、意識を集中しながら心身をリラックス状態へ導く心的訓練法だといえます。

  • がんやエイズなどの慢性疾患患者の免疫力向上
  • 高血圧・心臓病患者の治療
  • アルコール依存症・薬物依存症などのリハビリテーション補助

といった効果がありますが、最も特徴的なのはリラクゼーション効果。ただし、適用を間違うと思わぬトラブルに遭遇してしまう可能性もあります。自分にとって瞑想が適切な方法かを見極める必要があり、医師や専門家に相談することが大切です。また、瞑想は長時間やれば効果があるというものではなく、慣れないうちにやり過ぎると、自律神経系や精神に変調を来してしまうこともあるので注意が必要です。初心者の場合は1回につき20分以内、1日2回までが適当だといわれています。

自律訓練法


心身症や神経症の治療法としてドイツの医師が開発した心身の自己弛緩法。現在は医学的な治療法以外にも、職場におけるストレス緩和法、心身の健康増進法、スポーツやステージ活動における集中力養成法や上がり防止法、創造性の開発法などとして広く用いられるようになりました。

自律訓練法は、他者から誘導される催眠法(他者催眠)と異なり、いつでもどこでも自分で行うことができます。そのため、今日では日常生活の多様な場面で行うことのできるセルフコントロール法として用いられています。

【自律訓練法による効果】

  • 疲労回復
  • 体の痛みや精神的苦痛の緩和
  • 不眠の改善
  • イライラの沈静
  • 気持ちの安定
  • 作業能率の向上
  • 向上心(やる気)の増加 など

自律訓練法には背景公式を含めて七段階の公式があり、それを頭の中でゆっくりと繰り返すのが基本ですが、第一と第二公式のみでも効果があります。

背景公式:「気持ちがとても落ち着いている」

第一公式:「両府で、両足が重たい」(重感練習)

第二公式:「両腕、両脚が温かい」(温感練習)

第三公式:「心臓が規則正しく打っている」(心臓調整練習)

第四公式:「とても楽に呼吸をしている」(呼吸調整練習)

第五公式:「胃のあたりが温かい」(腹部温感練習)

第六公式「額が涼しい」(額涼感練習)

第一、第二公式はリラックスしたときに手足に現れる感覚です。自己暗示をかけるように自分で意識的に行うのがポイント。1回の練習は3~5分(1日3回)。練習後は「両腕の屈伸を5~6回、大きな背伸びを2~3回行い、深呼吸をしてから最後に目を開ける」消去動作を必ず行います。自律訓練法は、慌ただしい生活を送っている人や更年期障害の人にもお勧めの療法。マスターすることで、ストレスをため込まずに過ごせるようになります。

今回は、医師や専門家による指導のもと行うものだけでなく、自律訓練法といった自分で行うことのできる療法を紹介しました。イメージ療法において特にいえることですが、否定的なイメージは心身の機能を低下させる傾向があり、逆に肯定的なイメージは治癒を促す傾向があります。「病は気から」という言葉があるように、ポジティブな気持ちを保つことも私たちの健康には大切なのだということがわかっていただけたのではないでしょうか。

この記事の監修者
朝霧高原診療所 院長 昭和大学医学部客員教授 山本 竜隆(やまもと たつたか)

聖マリアンナ医科大学、昭和大学医学部大学院卒業。医師・医学博士。地域医療とヘルスツーリズムの両輪で、地域活性や自然欠乏症候群の提唱などの活動をしている。富士箱根伊豆国立公園に位置する滞在施設「日月倶楽部」では、ヨガや瞑想などのマインドフルネス、企業の健康管理者への指導など雄大な自然環境に身を置いて行う各種滞在プログラムを提供している。
[朝霧高原診療所] https://www.asagiri-kogen-clinic.com/
[日月倶楽部] https://hitsuki-club.com/


ライター 濱岡 操緒(はまおか みさお)

大学卒業後、大手ゲーム会社に就職。広報宣伝部にて主に社内報や広報誌などの編集主幹を務める。退職後は母親向けの媒体、ウエディング関連の媒体などを手掛ける編集プロダクションに所属。現在はフリーランスとして書籍・雑誌・WEBメディアなどの編集・執筆、撮影ディレクションなど幅広く活動中。プライベートでは1児の母。最近の健康習慣は、ミトコンドリア活性化。

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