【体験レポ】「日月倶楽部」滞在プログラムで心身をリセットしてきました! ~後編~
山本竜隆医師が代表を務める「日月俱楽部」。台風の影響は懸念していたほど大きくなく、屋外のプログラムもしっかり体験できました。スマホの電波が悪くても、テレビがなくても、自然が娯楽を与えてくれる。「自分のできる範囲で生活を変えてみよう」。そんなふうに思える「夏の焚火&釜戸で食事プログラム」体験レポート、後編をお届けします!
本当の自然を取り入れることで、心と体は整う
2日目の朝は、枝拾いからスタート。この地域では、薪を使ったエネルギーの自給も盛んだそう。日月倶楽部では拾った枝を薪にして火を起こし、料理やサウナ、たき火、暖炉などエネルギー自給にも積極的に取り組んでいます。 枝拾いが終わったら、富士山静養園にある東屋キッチンへ。朝食の準備をするため、参加者みんなで薪をくべ、釜戸の火起こしを行いました。火起こしの経験がある参加者もいましたが、なかなか全体に火が回りません。最後は、火起こし熟練のワタナベさんにサポートしていただきました。ガスコンロやライター、マッチなど文明の利器が整う現代、一から火を起こす経験はなかなかありません。時間や手間がかかり、技術を要するからこそ、火の大切さを知ることができるのですね。
朝食後は、富士山静養園内にある森散歩。所々に“関係者以外立ち入り禁止”の看板がありますが、山本先生はその立ち入り禁止ゾーンにまでどんどん入っていきます。そう、ここは“やまもと村”のプライベート空間! 滞在プログラムに参加した人のみ、立ち入ることができるんです。森の中は「木火土金水」ゾーンに分けられ、自分に不足する要素のエリアで過ごすのがオススメだそう。
涼しい森の中とはいえ、真夏の時季。そろそろ水分補給がしたいと思っていたところに登場したのが、富士山から100年かけて流れてくるという湧き水。中にはペットボトルを持参し、湧水採取する参加者も。ひんやりと清らかな軟水、ありがたくいただきました。この場所は、山本先生が大好きな場所でもあります。水があるから木が育ち、森が豊かになって空気が浄化され、動物たちも生きていける。そんな大切な水源に、感謝の気持ちを抱いているといいます。
WELLNESS UNIONの代表として活動する山本先生。医師としては時間外の診察はもちろん、時にはみとりの場面に立ち会うことも。実は、東京にいた頃より何倍も忙しいそうですが「自然の摂理を意識した生活を送ること。理屈ではなく、それが自分の力になっている。この環境にいることで、疲れているときほど英気を養える」と教えてくれました。
岩手の田舎で育ち、子どもの頃の趣味は探検と虫捕りでしたが、今ではすっかり都会の生活に慣れてしまった私。キラキラした都会に憧れていたのに、自然を求め、自然に癒されるのはやはり自然欠乏症候群の傾向があるのかもしれません。参加者の皆さんが口をそろえて言っていたのが「できれば2泊してほしい! そうすると、心と体が整うのを実感できる」ということ。楽しみにしていた富士山の御来光は雨で拝むことができませんでしたが、人の暮らしの原点を知ることのできる、宝物のような体験をさせていただきました。普段と全く違う生活を送り、移動の疲れがあったにもかかわらず、体験後の体がいつになく軽かったのは、自然をたくさん取り込むことができたからなのかもしれません。
この記事の監修者
朝霧高原診療所 院長 昭和大学医学部客員教授 山本 竜隆
聖マリアンナ医科大学、昭和大学医学部大学院卒業。医師・医学博士。地域医療とヘルスツーリズムの両輪で、地域活性や自然欠乏症候群の提唱などの活動をしている。富士箱根伊豆国立公園に位置する滞在施設「日月倶楽部」では、ヨガや瞑想などのマインドフルネス、企業の健康管理者への指導など雄大な自然環境に身を置いて行う各種滞在プログラムを提供している。
[朝霧高原診療所] https://www.asagiri-kogen-clinic.com/
[日月倶楽部] https://hitsuki-club.com/
ライター 濱岡 操緒
大学卒業後、大手ゲーム会社に就職。広報宣伝部にて主に社内報や広報誌などの編集主幹を務める。退職後は母親向けの媒体、ウエディング関連の媒体などを手掛ける編集プロダクションに所属。現在はフリーランスとして書籍・雑誌・WEBメディアなどの編集・執筆、撮影ディレクションなど幅広く活動中。プライベートでは1児の母。最近の健康習慣は、ミトコンドリア活性化。